1. 無痛分娩とは?
硬膜外麻酔による疼痛緩和方法です。費用は分娩費用+8万円〜(税別)になります。
利点
- 陣痛が和らぎます(分娩進行を妨げる可能性があるので、完全に痛みが消失しない程度に調節します)。
- 分娩による疲労感が少なく、体力を温存することが可能です。
- 痛みをコントロールすることで、血圧の上昇を予防できます。
- 身体の緊張を解き、分娩進行を促すことができます。
- 急に帝王切開術が必要になった場合、硬膜外麻酔を手術の麻酔として使用できます。
起こりうる問題点
- 血圧が下がる
- 発熱
- 腰痛・足の痺れや不快感、力が入りにくくなるなどの神経障害や異常感覚、かゆみ
- 吐き気や嘔吐
- 合併症:髄膜炎、硬膜外膿傷、硬膜穿刺後頭痛、硬膜外血腫
- 薬の血管内誤注入による局所麻酔薬中毒
- 薬のくも膜下誤注入による、広範囲な麻酔効果
- 分娩時間延長や分娩停止に伴う、促進剤使用や吸引分娩の可能性
無痛分娩ができない方
- 血小板数の低下
- 凝固機能の異常
- 大量出血・脱水
- 敗血症
- 脊椎の変形や脊髄疾患のある方
- カテーテル挿入部位の感染
2. 硬膜外麻酔の方法
- ベットの上で横になり、背中を丸くします
- 腰の辺りに痛み止めの注射をします
- 針を刺して、カテーテルを挿入します(右図)
- カテーテルから麻酔薬(ロピバカイン)を注入します
3. 無痛分娩を始める時期
- 計画無痛分娩の場合:
分娩を誘発し、陣痛が来て、子宮口が3~5㎝になったら始めます - 分娩進行している場合:
子宮口が3~5㎝になり、痛みが強くなったら始めます
※安全に行うため、基本は平日(日曜・祝日以外)日中のみ適応となります。
4. 無痛分娩中の過ごし方
- 全身管理が必要なので、分娩室で胎児心拍モニター、心電図モニター・血圧測定・SpO2モニターを装着し、状態を観察していきます
- 飲食はできませんが、水かお茶なら摂取できます
- 足に力が入らないことがあるので、尿は基本的に3~4時間ごとに管でとります
- 痛みが強くなってきたら、麻酔薬の調整を行います
5. 痛みスケール
※麻酔時、このスケールを利用し、痛みの度合いを確認していきます。
夜間、休日等無痛分娩が行えない時は、
筋肉注射による和痛を行うこともできます。
※詳細を知りたい方はスタッフまでお尋ねください
無痛分娩の取り扱い数
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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総分娩数 | 636 | 593 | 509 |
(再掲)正常分娩数 | 445 | 357 | 314 |
(再掲)無痛分娩による分娩 | 25 | 26 | 31 |
(再掲)帝王切開による分娩 | 158 | 150 | 132 |
(再掲)吸引分娩 | 23 | 56 | 54 |